三大認知症の一つとされるレビー小体型認知症について解説をします。アルツハイマー型認知症と同じ変性疾患(脳細胞が壊れる)ですが、症状の出方や経過が大きく異なる為、詳しくご説明します。
目次
1.レビー小体型認知症とは
2.症状
3.経過
4.改善策
上記の順で説明いたします。レビー小体型認知症の基礎を身につけ、早期発見や早期対策ができる様に備えましょう。
1.レビー小体型認知症とは
脳細胞にレビー小体と言う異常な物質が蓄積する事で発症します。小体が脳全体に広がる事で体をうまく動かせなくなるり歩行障害や起立性低血圧(立ちくらみ)や頻尿や便秘など自律神経症状も見られます。
発症理由はわかっていません。好発年齢は70歳前後で男性に多くみられます。
特徴としてはアルツハイマー型認知症と比較をすると、記憶を司る海馬の萎縮が軽度であるため、重度の記憶障害は見られません。また認知機能障害には変動があり、日や時間帯で好調、不調の差があります。家族が生活の様子がおかしいと思い、次の日に病院に連れて行ってもいつも通りの様子に戻っていて医師からの発見が遅れるケースもあります。手が震えたり、歩行が小刻みになる身体障害が出ることも特徴的です。
2.レビー小体型認知症の症状
4大症状を中心に説明しっていきます。
①パーキンソンニズム
パーキンソン病と言う病気をご存知でしょうか。パーキンソン病は運動を制御する大脳基底核と呼ばれる部分が障害される進行性の難病です。手足の震え、歩行障害、筋固縮(筋肉が硬くなる)など身体障害や起立性低血圧(立ちくらみ)など自律神経症状が起きます。パーキンソンニズムとはパーキンソン病の様な症状が出ることを言います。
上記で挙げた様にレビー小体型認知症も手足が小刻みに震える。足が出づらくなる歩行障害や起立性低血圧が症状として出現します。
②幻視
実際には存在しないものが見える症状です。本人ははっきりとしたものが見えており、例としては「知らない子供が家に入り込んでる」「壁に虫がたくさんいる」などの訴えが多いです。繰り返し現れることと夜間時に多く出現する特徴があります。
レビー小体型認知症者に脳血流量を調べるSPECTで検査すると視覚を司る後頭葉への血流低下が著明に現れていることから幻視が起きているのではないかと考えられています。
③レム睡眠行動障害
レム睡眠とは浅い眠りの状態を言います。レム睡眠時に突然大声を出したり、暴れてしまう異常行動が起ります。長くても10分程で治る事が多く、危険がなければ見守る事が大切です。心配になって行動障害時に強い刺激を加えて無理矢理起こそうとすると夢と現実が混同して興奮状態となり思わぬ事態を引き起こしてしまいます。治る気配がない場合は部屋を明るくしたり優しく声かけをすることで少しずつ現実に戻してあげる事が大切になります。
④認知症状の変動
1日の中で、もしくは1週間の中で調子が良い時と悪い時の差が大きく出るのが特徴となります。例えば午前中は何も問題なく楽しくお話をしたり、家事も出来ていた方が、午後には表情が暗く、話しかけても返事もなくボーとしてしまうなど時間帯で好不調の差が大きくみられます。
また、うつ症状の様に気持ちが落ち込んで何もしたくないと発言していたので翌日病院に連れて行ったら、表情が明るく前日と大違いで、何も処置などもなく帰るケースもあります。認知機能変動の出方は一様ではなく個人でも異なるため、普段の様子をみている家族が、注意深く関節する事が大切になります。

3.経過
①発症初期
うつ症状など気分の低下や段取りが悪く生活の効率の悪さが目立ちます。物忘れや見当識低下よりは精神面の低下が現れ、徐々に幻視やパーキンソンニズムや認知機能変動が出現します。生活を送ることやコミュニケーションは大きく障害されないため、認知症では無く精神病と間違われやすいです。
②中期
パーキンソンニズムが強くなり、突進現象(歩き出すと止まらなくなる)や小刻み歩行(すり足で細かく歩く)が原因で転倒の危険性が高くなります。
認知機能低下も進み物忘れや見当識障害も現れ生活に大きな支障がでます。幻視の頻度の増加や認知機能変動の不調の時間が長くなり、家族の介護量は増えます。
③末期
パーキンソンニズムが強くなり歩行障害が著明となり移動にも介護が必要になります。また日常生活全般に介護が必要になり、認知機能はどんどん進行していきます。食事の場面でも嚥下機能低下が起こり誤嚥性肺炎のリスクが高くなるため食事の介護も必要となりどんどん身体機能と認知機能は進行していきます。
4.改善策
目次
1.レビー小体型認知症とは
2.症状
3.経過
4.改善策
上記の順で説明いたします。レビー小体型認知症の基礎を身につけ、早期発見や早期対策ができる様に備えましょう。
1.レビー小体型認知症とは
脳細胞にレビー小体と言う異常な物質が蓄積する事で発症します。小体が脳全体に広がる事で体をうまく動かせなくなるり歩行障害や起立性低血圧(立ちくらみ)や頻尿や便秘など自律神経症状も見られます。
発症理由はわかっていません。好発年齢は70歳前後で男性に多くみられます。
特徴としてはアルツハイマー型認知症と比較をすると、記憶を司る海馬の萎縮が軽度であるため、重度の記憶障害は見られません。また認知機能障害には変動があり、日や時間帯で好調、不調の差があります。家族が生活の様子がおかしいと思い、次の日に病院に連れて行ってもいつも通りの様子に戻っていて医師からの発見が遅れるケースもあります。手が震えたり、歩行が小刻みになる身体障害が出ることも特徴的です。
2.レビー小体型認知症の症状
4大症状を中心に説明しっていきます。
①パーキンソンニズム
パーキンソン病と言う病気をご存知でしょうか。パーキンソン病は運動を制御する大脳基底核と呼ばれる部分が障害される進行性の難病です。手足の震え、歩行障害、筋固縮(筋肉が硬くなる)など身体障害や起立性低血圧(立ちくらみ)など自律神経症状が起きます。パーキンソンニズムとはパーキンソン病の様な症状が出ることを言います。
上記で挙げた様にレビー小体型認知症も手足が小刻みに震える。足が出づらくなる歩行障害や起立性低血圧が症状として出現します。
②幻視
実際には存在しないものが見える症状です。本人ははっきりとしたものが見えており、例としては「知らない子供が家に入り込んでる」「壁に虫がたくさんいる」などの訴えが多いです。繰り返し現れることと夜間時に多く出現する特徴があります。
レビー小体型認知症者に脳血流量を調べるSPECTで検査すると視覚を司る後頭葉への血流低下が著明に現れていることから幻視が起きているのではないかと考えられています。
③レム睡眠行動障害
レム睡眠とは浅い眠りの状態を言います。レム睡眠時に突然大声を出したり、暴れてしまう異常行動が起ります。長くても10分程で治る事が多く、危険がなければ見守る事が大切です。心配になって行動障害時に強い刺激を加えて無理矢理起こそうとすると夢と現実が混同して興奮状態となり思わぬ事態を引き起こしてしまいます。治る気配がない場合は部屋を明るくしたり優しく声かけをすることで少しずつ現実に戻してあげる事が大切になります。
④認知症状の変動
1日の中で、もしくは1週間の中で調子が良い時と悪い時の差が大きく出るのが特徴となります。例えば午前中は何も問題なく楽しくお話をしたり、家事も出来ていた方が、午後には表情が暗く、話しかけても返事もなくボーとしてしまうなど時間帯で好不調の差が大きくみられます。
また、うつ症状の様に気持ちが落ち込んで何もしたくないと発言していたので翌日病院に連れて行ったら、表情が明るく前日と大違いで、何も処置などもなく帰るケースもあります。認知機能変動の出方は一様ではなく個人でも異なるため、普段の様子をみている家族が、注意深く関節する事が大切になります。

3.経過
①発症初期
うつ症状など気分の低下や段取りが悪く生活の効率の悪さが目立ちます。物忘れや見当識低下よりは精神面の低下が現れ、徐々に幻視やパーキンソンニズムや認知機能変動が出現します。生活を送ることやコミュニケーションは大きく障害されないため、認知症では無く精神病と間違われやすいです。
②中期
パーキンソンニズムが強くなり、突進現象(歩き出すと止まらなくなる)や小刻み歩行(すり足で細かく歩く)が原因で転倒の危険性が高くなります。
認知機能低下も進み物忘れや見当識障害も現れ生活に大きな支障がでます。幻視の頻度の増加や認知機能変動の不調の時間が長くなり、家族の介護量は増えます。
③末期
パーキンソンニズムが強くなり歩行障害が著明となり移動にも介護が必要になります。また日常生活全般に介護が必要になり、認知機能はどんどん進行していきます。食事の場面でも嚥下機能低下が起こり誤嚥性肺炎のリスクが高くなるため食事の介護も必要となりどんどん身体機能と認知機能は進行していきます。
4.改善策
レビー小体型認知症の根治は現在確立していないため、進行に合わせたサポートを選んでいくのが必要になります。
①パーキンソンニズムによる歩行障害
小刻み歩行によってカーペットや床にあるコンセントのコードにつまずきやすく転倒してしまう事が増加します。そのため、改善策としては導線上の環境を変えます。床に転倒の可能性のある段差や物を置かない様にすることや導線上に掴まれる家具や手すりを準備する事で小刻み歩行による転倒を伏せぎます。
歩行自体が難しくなってきた場合は室内で使える歩行器具を検討したり、生活環境を変更します。突進現象(どんどん前方に進んでいく)のため車輪付きの歩行器ぐは危険があるため、ピックアップウォーカーなどの一歩一歩持ち上げて進む方法や車椅子を導入して家族が介護することで転倒による二次障害を防ぎます。寝室からリビングやトイレまでが遠い場合や二階に住んでいる場合は、生活導線を観察して、デイサービスや受診に行く事が多い場合は1階を生活スペースに変えたり、トイレまで近い部屋に移す事が大切です。
トイレに歩いて行く事自体が大変な場合はポータブルトイレを導入してベッド付近で用を足して、排泄処理を家族がサポートする方法もあります。
②幻視による関わり方
認知症には周辺症状という周囲の接し方や環境や個人の元の性格で現れる症状があります。主に妄想や攻撃的暴言暴力、徘徊やうつ症状などがあります。
幻視による症状は虫がたくさん見えるなどの発言が繰り返され、いつも聞かされている介護者にはストレスになります。この状況は本人からしたら本当に見えていて、不安や恐怖心で周囲に訴えます。信頼している介護者から「何度も同じ事を言わないで。そんな物実際ないから変なこと言わないで」と否定されたり怒鳴られると、本人は「不安を聞いてくれない」「見放された」「本当に怖い思いをしているのに怒られた」などの気持ちとなり、気持ちが塞ぎ込みうつ症状が出たり、否定された事で怒りがつもり暴力的になるなどの周辺症状が出現します。
家族を始め介護者はストレスもあると思いますが、本人の訴えを否定したり怒鳴ってしまうとこの様に症状は増悪してしまいます。あくまでも傾聴によって本人を安心させてあげる事が必要になります。介護者へのストレスの緩和としてはデイサービスの利用など自分の時間をしっかり確保して、ストレス発散や介護の現状の話を聞いてくれる理解者を作る事が大切になります。
幻視をなくすことは出来ないため、本人への接し方を変えて、周辺症状を改善もしくは予防する事が必要です。
①パーキンソンニズムによる歩行障害
小刻み歩行によってカーペットや床にあるコンセントのコードにつまずきやすく転倒してしまう事が増加します。そのため、改善策としては導線上の環境を変えます。床に転倒の可能性のある段差や物を置かない様にすることや導線上に掴まれる家具や手すりを準備する事で小刻み歩行による転倒を伏せぎます。
歩行自体が難しくなってきた場合は室内で使える歩行器具を検討したり、生活環境を変更します。突進現象(どんどん前方に進んでいく)のため車輪付きの歩行器ぐは危険があるため、ピックアップウォーカーなどの一歩一歩持ち上げて進む方法や車椅子を導入して家族が介護することで転倒による二次障害を防ぎます。寝室からリビングやトイレまでが遠い場合や二階に住んでいる場合は、生活導線を観察して、デイサービスや受診に行く事が多い場合は1階を生活スペースに変えたり、トイレまで近い部屋に移す事が大切です。
トイレに歩いて行く事自体が大変な場合はポータブルトイレを導入してベッド付近で用を足して、排泄処理を家族がサポートする方法もあります。
②幻視による関わり方
認知症には周辺症状という周囲の接し方や環境や個人の元の性格で現れる症状があります。主に妄想や攻撃的暴言暴力、徘徊やうつ症状などがあります。
幻視による症状は虫がたくさん見えるなどの発言が繰り返され、いつも聞かされている介護者にはストレスになります。この状況は本人からしたら本当に見えていて、不安や恐怖心で周囲に訴えます。信頼している介護者から「何度も同じ事を言わないで。そんな物実際ないから変なこと言わないで」と否定されたり怒鳴られると、本人は「不安を聞いてくれない」「見放された」「本当に怖い思いをしているのに怒られた」などの気持ちとなり、気持ちが塞ぎ込みうつ症状が出たり、否定された事で怒りがつもり暴力的になるなどの周辺症状が出現します。
家族を始め介護者はストレスもあると思いますが、本人の訴えを否定したり怒鳴ってしまうとこの様に症状は増悪してしまいます。あくまでも傾聴によって本人を安心させてあげる事が必要になります。介護者へのストレスの緩和としてはデイサービスの利用など自分の時間をしっかり確保して、ストレス発散や介護の現状の話を聞いてくれる理解者を作る事が大切になります。
幻視をなくすことは出来ないため、本人への接し方を変えて、周辺症状を改善もしくは予防する事が必要です。
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